コンセプト
・構築内におけるサイクルと積み展開の両立。2つの動きから各エースを通す
・環境上位の禁伝に対して特定のメタ枠を用意して対面やサイクル下の動きで対応する
構築経緯
1.
・ゼルネアス
禁伝枠の中でDMの有無に依存しない性能の高さを持つ。積み展開を最も強く行える点を評価し、構築を組み始めた。
・珠フェローチェ
ゼルネが通しにくい場合の一般枠エース。ムゲンダイナ・ザシアン・黒バド等の禁伝を上から縛ることができる。ゼルネの呼ぶ鋼全般を崩すことができたりと、攻めの補完が優秀な点を評価。この2体を主軸に採用して残りの枠を検討。
2.
欠伸ステロでの起点作成とクイックターンを絡めた対面操作で展開・サイクル両方の動きが作れるクッション枠。ゼルネの苦手な鋼全般に強めであり、構築単位で電気技の一貫を切る枠として採用。
3.
・HBウインディ
ゼルネアスの苦手な禁伝枠のザシアン・ネクロズマへのメタ枠として採用。
4.
・HDナットレイ
禁伝枠のカイオーガ・ゼルネアス(ゼルネコピーメタモン)へのメタ枠。構築単位での水の一貫切りとして採用。
5.
・スカーフサンダー
ここまで採用したラグラージ・ウインディ・ナットレイとの相性補完に優れており、上からの対面操作から柔軟なサイクル形成できる枠。DMエースや終盤のスイーパーにもなれる点を評価して採用。
で完成。
両エースを柔軟に通していけるよう展開に加えてサイクルの要素を構築内に取り入れる。環境上位の禁伝枠への明確なメタ枠を用意することを意識して構築を組み上げた。
※本構築のゼルネ+フェロの原案は澤村さん(@Sawamu_raaaaa)によるものです。構築経緯や各個体解説は原案者の意図を自分なりに汲みながら書かせていただきました。
個別解説
ゼルネアス
性 格:臆病
特 性:フェアリーオーラ
実数値:201-*-116(4)-183(252)-118-166(252)
持ち物:パワフルハーブ
禁伝枠。主軸兼エース①。
ラグのステロ欠伸展開やナット・ウインディを絡めたサイクルからジオコンを積んで全抜きを狙う。ゼルネのケアが不十分な構築には初手置き→ジオコンも積極的に行った。
積まなくても十分な火力が出るため、サイクル下で有利対面を作る→高火力ムンフォを交代先に押し付けてダメージレースを制していく動きもよく行った(C種族値131のタイプ一致威力95技に1.33倍の補正がかかってかつ無効タイプ無しはズル)。高火力ムンフォの押し付けとジオコン積み→全抜き。2つの動きを戦局に応じて使い分けるのが重要。
チョッキ鋼等の有限ポケモンでゼルネを見てくる相手には、受け出しのタイミングでムンフォ→裏に交代のサイクルで何度か削りを入れてからジオコンを積んで制圧しに行くと強引な突破が可能。
雷はカグヤ・ドヒド辺りへの打点や広範囲に通るサブウェポン。10万ではなく雷の理由はDM時の火力重視で、ザシアンをゴツメ+ジオコン→威力140ダイサンダーで倒せるため。ただ耐久振り個体の増加で倒しきれない場面が多発していたため、非DM時命中安定の10万も一考。
ドレインキッスはゼルネへの突破手段に乏しい有象無象との対面をジオコン→ドレキで一方的に回復しながらダメージレースを制することができるのが強かった。ウーラオスに対して後出しから安定した処理が可能になるのも評価が高い。
火力が少しでも欲しかったのと、ウーラオスの他イベルタル・ゼルネミラーを意識した結果CS振り切り。
通常だと構築をサイクルに寄せるとウーラオスや高火力ドラゴン全般の処理が難しくなりがちだが、そこを自然とメタれるS99のフェアリー単タイプが要素としてあまりにも偉い。
フェローチェ
性 格:陽気
特 性:ビーストブースト
実数値:147(4)-189(252)-57-*-57-223(252)
持ち物:命の珠
主軸兼エース②。
一般枠でありながらザシアン・ムゲンダイナ・黒バド等、環境上位の禁伝枠に対して上からの高火力押し付けが可能なアタッカー。火力と素早さの面だけ見れば実質禁伝級のスペックを持つ。
ゼルネが相手の鋼枠を呼び込むところにフェロが刺さりやすく、2体の攻撃方面の補完が優秀。ゼルネ+フェロのエース2枚選出からどちらかを通す動きをよく行った。
環境上位に多かったサンダー+ザシアン+αの並びは、ゼルネでジオコンを積んだタイミングで出てくるザシアンを削った後にフェロ死に出し→ダイナックルの動きで大体崩すことが可能。
技構成は範囲が優秀でDM時威力140(使うまで130だと思ってた)と火力も申し分ないトリプルアクセル。ザシアンメタ、ドヒドサイクル崩しのドリルライナー。黒バドメタ、ヌケニンループにも刺さる地獄突きの4つ。
蜻蛉返りが欲しい場面も多かったが、いずれのサブウェポンも切り難かったのと蜻蛉を撃つ際に珠ダメで型がバレるのを嫌って今回は見送り。もし採用する場合、切るとしたらドリルライナー。
ウインディ
性 格:腕白
特 性:威嚇
実数値:197(252)-130-145(252)-*-100-116(4)
持ち物: ゴツゴツメット
技構成:フレアドライブ/神速/鬼火/朝の日差し
ザシアン・ネクロズマ・白バドレックスメタ。ゼルネアスを採用する上で対策必須な禁伝枠に総じて強く出られる受け枠として優秀。エスバ・ゴリラ等、環境上位の一般枠を自然とメタれるのも偉い。
物理型なのは、火炎放射だと相手を削る際やDM時に火力不足+ネクロが瞑想型だと起点にされる恐れがあるため。
神速は他に特筆して欲しい技がなかったのと、構築単位で先制技持ちが1体は欲しかったため採用。試合の勝ち筋に組み込みやすく、何かと痒いところに手が届いて便利な技だった。
役割対象の禁伝物理の攻撃を少しでも耐えられるようHB振り切り。ゴツメはザシアン意識で持たせた。ゴツメダメが一度入ると調整次第では裏のジオコンゼルネやフェロの圏内に入ってくれる。
捨て台詞を覚えたら最強のクッション
ラグラージ
性 格:呑気
特 性:激流
実数値:206(244)-130-148(196)-105-119(68)-64 ※S個体値14-15
持ち物:オボンの実
ゼルネ・フェローチェを通すための起点作成枠。サイクル下での対面操作クッション枠。
ラグへの対策が甘い構築には積極的に初手に置いて欠伸ステロ展開を行う。
ラム+積み技、草技持ちの選出が予想される場合は対面を作った際必ず裏でケアが可能な選出を心がけていた。またその際は裏に置き、サイクル下で有利対面を作ってから展開を行うようにしていた。
物理鋼・地面やエスバ等を意識してHBを厚めに振りつつ、不意の特殊草技にも対応できるようDにも多少努力値を割いた。控えめ珠サンダーの暴風ダイジェットも確定で耐えたりと、何かと偉いHDライン。
Sはカバルドンや性格下降SV(実数値66)のラグ・ガエン等の下から行動できる64に設定。ラグミラーでのS関係を明確化したり、ドサイドン辺りには上から行動できたりとこれまた偉いライン設定だった。
ナットレイ
性 格:生意気
特 性:鉄の棘
実数値:181(252)-114-152(4)-*-184(252)-22 ※S個体値0
持ち物:食べ残し
技構成:ジャイロボール/叩き落とす/宿木の種/守る
カイオーガ・ゼルネアスメタ。メタモン入りにゼルネを投げる際はコピー対策として必ず選出していた。ウインディ同様、環境上位の特定の禁伝枠に対する一般メタ枠として評価が高い。
相手のナットをミラーで見るための叩き落とす採用。ゼルネを見て出てくるナットにナット後出し→叩きで残飯無効化&削りを入れる→裏のゼルネを通す動きをよく行った。
ナットミラーで叩きを撃った後暇になるのと、構築単位で重いガマゲロゲへの打点が欲しい場面が多かったため、非接触かつ草技打点のタネマシンガンを採用した方が良かった。その場合切るのは守る。
役割対象の禁伝特殊の攻撃を少しでも耐えられるようHD振り切り。HB振りの時と同じ感覚で使うと物理地面の地面技やノラゴンのエラ噛みでゴッソリ削られるため注意が必要。
サンダー
性 格:臆病
特 性:静電気
実数値:165-*-106(4)-177(252)-110-167(252)
持ち物:拘りスカーフ
技構成:10万ボルト/暴風/熱風/ボルトチェンジ
スカーフ対面操作枠。
カイオーガ絡みのサイクルやその他サンダーの通りが良い構築に選出して、スカーフボルチェンから有利なサイクルを形成する。
スカーフカイオーガの上からボルチェンで削りを入れられるのが優秀。オーガ絡みは初手サンダー+裏ナットで大体対処が可能だった。ザシアンの上から行動できるのも評価が高い。
DMを切っても当然強く、ゼルネ・フェロが出しにくい構築にはサンダーをDMエースとして通していた。
選出パターン
基本的には「ゼルネ+フェロ+@1」か「ゼルネorフェロ+@2」の2パターン。
前者の場合は、「ラグラージor相手の禁伝枠に応じたメタ枠のウインディorナット」を選出。縦の動きの中でどちらかのエースを通す。
後者は相手に応じて「ウインディorナットorラグorサンダー」を選出。横の動きで2枚サイクルを行いつつ盤面を見極めて裏のエースを通していく形となる。ゼルネ・フェロのどちらも通りが微妙な構築にはスカーフサンダーをエースに据えたサイクル選出を行う。
各構築別選出
・ザシアン
++(or)
++(or)
・黒バドレックス
+(oror )
受け系統
++(or)
その他
ネクロズマ・白バドレックス→
ゼルネアス→
イベルタル→or
ジガルデ→ or
禁伝毎にエース枠+裏のサイクル要員をうまく合わせて対応していく。
重い禁伝は白キュレム・ホウオウ(+受け)辺り。
おわりに
TNしおこうじ:49位/レート2090
TNなみのはな:217位/レート2007
初の禁伝環境でしたが、自分の好きな構築系統の原案を頂けたおかげで何とか結果を残すことができました。
今期は潜り始めたのが終盤で自力での環境考察や構築組みがかなり疎かになっており、実践も前期以前に比べると不足気味だったのが反省点です。来期以降はもっと自力で頑張ってより良い結果を残せるよう善処していきたいと思います。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
スペシャルサンクス
・構築原案を提供してくださった澤村さん
・ゼルネアスを個体提供してくれた虎猫
・ねるにちの皆さん
・マリカ窓の皆さん
・常日頃応援の言葉をかけてくださる方々
いつも本当にありがとうございます。
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