
コンセプト
・構築内におけるサイクルと積み展開の両立。2つの動きから各エースを通す
・構築に柔軟な試合展開が可能な要素を多く盛り込む。構築+立ち回りで対応可能な幅を広げる
構築経緯
1.
→
ゼルネアス→ザシアン
前期使用したゼルネアスが環境に通らなくなってきたため新しい禁伝枠を検討。その結果同じ積みエースとして運用可能であり、禁伝の中でもトップクラスのスペックを持つザシアンを使いたいと考え、構築を組み始めた。
ザシアンの強みは「積みアタッカーとしての高いエース・スイープ性能」に加えて「鋼・フェアリーの優秀な耐性・数値を活かした最低限のサイクル性能」にあると考えた。そこでこれらザシアンの性能をできる限り臨機応変に活かせる構築を模索した。
2.
ラグラージ
前期から継続して採用。欠伸ステロでの起点作成・クイックターンを絡めた対面操作で展開・サイクルの両方からザシアンを強く動かすための枠として最適だと判断した。
3.
珠龍舞ドラパルト
ラグザシアン+αと選出する際、明確に強いDMエース枠が欲しいと考えて候補を検討したところ、S14にて使用した珠龍舞ドラパに着目した。
ザシアンとの両エース選出を自然と行え、「ドラパのダイホロウ→ザシアンスイープ」など強い動きが作れる・ラグが隙を見せる身代わり持ちをすり抜けでケアできるetc と2体とのシナジーが取れている点を評価して採用した。
「ラグラージ+珠龍舞ドラパルト+剣舞ザシアン」の最低限のサイクル性能+強力な積み展開を行える3体を基本選出として、残りの枠を検討した。
4.
チョッキゴリランダー
ザシアンで対処のしづらい禁伝枠であるカイオーガ・黒バドレックスへのメタ枠として採用。
S14のカバゴリラと同様に「ゴリラ→GF下のラグで欠伸ステロループを展開する」動きが取れる他、GF下でザシアンの地面弱点を軽減可能な点を評価した。
5.
→
ウインディ・スカーフサンダー→HDねむカゴ悪巧みヒートロトム
残りの枠はウインディ・スカーフサンダーを前期に引き続き採用していた。
しかしウインディが役割対象であるザシアンには取り巻きのカバサンダー+終盤増加したウオノラゴンを見て投げづらく、日ネクもまたラム龍舞等まで考慮すると安定した役割を担えないと感じたため解雇。その代わりに採用したHDねむカゴ悪巧みヒトムがウインディと性能自体が違うものの、それに近い役割を担えるのに加えて、ザシアンカバサンダーのような並びを単体で崩せて強かったため、採用した。
またサンダーもオーガ軸に投げた際にチョッキ持ちだとかえってゴリ押されるなど、全体的に使ってて前期以上の強さを感じなかったのと電気枠被りが嫌だったので、ヒトムの採用に合わせて解雇した。
6.
→
スカーフメタモン→スカーフガラルファイヤー
スカーフサンダーを解雇して余った枠を検討。当初は相手のザシアンへの牽制になりそうなメタモンを採用したが、相手へ常に依存する性能が自分の好みに合わなかったため解雇した(使い方が下手なだけ)。
スカーフ枠は個人的に構築には必ず入れたかったため確定とした上で、最終日付近増加傾向にあった黒バド・日ネクに強そうな枠を検討したところガラルファイヤーに着目した。
黒バドに後出し可能な耐性と数値+上から悪技で縛れ、日ネクも雰囲気でゴリ押せる他、スカーフ蜻蛉で柔軟なサイクル形成もできたりと可能性を感じて試運転したところ好感触だったため、そのまま採用に至った。






で完成。
ザシアンを臨機応変に活かすためのサイクル+積み展開。柔軟な試合展開を行いやすい各要素の取り入れること(対面操作技・ステロ・先制技・全体の相性補完etc)などを意識した。
また今期の禁伝メタ枠は役割対象に対してある程度サイクル性能を確保しながらも後手に回らず切り返せたり、対面操作技を駆使して取り巻きの交代にも隙を見せないポケモンで固めることを心がけた。これは前期構築で採用した禁伝メタの一般枠が、いずれも相手の立ち回り+禁伝自体のパワーでゴリ押されたり、取り巻きに隙を見せやすいのがネックだと感じたためである。
あとはザシアンを採用する上で消極的なDMの扱い方しかできない構築になるのは嫌だったので、DMを積極的に強く仕掛けていけるポケモンをできる限り採用することにも注意した。
個別解説
ザシアン
性 格:陽気
特 性:不撓の剣
実数値:199(252)-190-135-*-136(4)-220(252+)
持ち物:朽ちた剣
技構成:巨獣斬/インファイト/電光石火/剣の舞
禁伝枠。主軸兼エース枠。
最強格の禁伝。いずれも高水準の数値で有象無象と打ち合ったり、ラグのステロ欠伸展開や取り巻きのサイクルから展開して剣舞を積み、有象無象を破壊する。
積みエースとしての性能もさることながら、優秀なタイプと高い耐久値のおかげでサイクル参加もある程度可能なのも優秀。
HSなのは火力不足は剣舞やステロ+サイクル下の削りで補えばいいと考えたのと、Aラインを上げすぎた際にコピーメタモンの+2巨獣斬で倒されるリスクを嫌ったためである。
Sラインは元々203(準速ザシアン抜き抜き)で使用していたが、ミラーで抜かれる場面が多発したため同速負け以外で勝てる最速に変更。ただ全員考えることは同じで、最終日は最速個体のザシアンとよく遭遇し、魂の同速ゲーを繰り広げまくっていた。
インファはドリュナットドラン辺りの鋼タイプに打点がなかったのを嫌って採用。じゃれつくを撃ちたい相手は剣舞+巨獣斬orインファでもゴリ押し可能だと判断した。じゃれつく不採用で最も困るサンダーはラグの欠伸ステロ+ヒトムorドラパで崩すなど、ザシアンで選出を誘発しつつそれ以外で処理することをできる限り心がけていた(でないと静電気で禿げる)。電光石火はHPミリ残しした有象無象へのスイープとして便利な技だった。
ドラパルト

性 格:意地っ張り
特 性:すり抜け
実数値:163-189(252+)-95-*-96(4)-194(252)
持ち物:命の珠
技構成:ドラゴンアロー/ゴーストダイブ/不意打ち/竜の舞
主軸兼一般エース枠。
ザシアン同様にステロ欠伸展開やサイクル下から龍舞を積んで通していく。ドラパの通りが良い構築には初手DMを切って一気に崩しにいくことも多々あった。
S14でも同様の型を使用していたが、禁伝環境においては耐久振りムゲンダイナを上から珠ダイドラグーンでワンパン(準速個体なせいで最速は無理)できたり、黒バドも不意打ちで縛れたりと禁伝メタとしての優秀さが光る。エースとしても+1珠ダイホロウでH252振りザシアンを確定1発で倒せる(HB個体は厳しい)火力と持ち前の素早さで禁伝に引けを取らない性能を持つ。相変わらず最高のポケモンだった。
特性すり抜けは身代わり搭載のムゲンダイナ・黒バドを意識した。不意打ちは特性込みでの黒バドメタと有象無象へのスイープとして採用した。
当初は最速ムゲンダイナを意識して陽気最速で採用していたが、それ以上に火力が欲しい場面の方が多かったため意地特化。

性 格:呑気
特 性:激流
実数値:207(252)-130-147(188)-105-119(68)-64 ※S個体値14-15
持ち物:食べ残し
技構成:クイックターン/ステルスロック/欠伸/守る
ザシアン・ドラパを始めとした各エースを通すための起点作成枠。サイクル下での対面操作+守るでの相手のDMターンを枯らしも出来る万能クッション。
この枠はカバと悩んだが、ザシアンと並べた際炎技・鋼技を半減で受けられたり、対カバザシでミラーを回避しながら欠伸+クイタンで一方的に有利な展開を作れる点などを評価してラグを採用した。カバ+ザシアンだと隙を見せやすいランドにクイタン(場合によってはダイストリーム)で打点を確保できてるのも偉い。
残飯はゴリラと選出した際、GF込みで場持ちを良くさせる他、ザシアン+サンダーのような高火力技持ち2体で役割集中を図ってくる相手を欠伸連打で流しながらHP管理→ステロ+欠伸に繋げられるのが優秀。
調整はS15同様の個体を使用。前期に比べてラグの個体数が増えており、ミラーで上を取ってるせいで不利を強いられるケースも何度かあったので、たとえ同速ゲーになったとしても最遅個体で良かったかもしれない。
ゴリランダー

性 格:意地っ張り
特 性:グラスメイカー
実数値:177(12)-194(252+)-111(4)-*-112(172)-114(68)
持ち物:突撃チョッキ
技構成:グラススライダー/馬鹿力/叩き落とす/蜻蛉返り
カイオーガ・黒バドメタ。
突撃チョッキを持つことでオーガの雨潮吹きをGF込みで2耐えしたり、黒バドもアストラルビットを耐えながら叩き落とすで切り返すことができる。
前期オーガメタとして採用したナットレイと違って上からグラスラで縛れるという対抗手段を持っているため、サイクル下の潮吹き連打で一方的に押し切られる展開を拒否できるのが偉い。
黒バドオーガ絡みは大体裏にHBサンダーが控えているので、対面した際は交代読み蜻蛉→ラグ後出しから欠伸ステロで有利展開を突っ張ったりと、その都度魂を込めて立ち回ってた。無振りサンダーのダイジェット程度であれば非DM下でも確定耐えする耐久があるため、ステロ下でサンダー後出し→DMキョダイコランダを合わせてゴリ押す場合もたまにあった。相手の持ち物と立ち回り次第では意外と勝てる。

性 格:穏やか
特 性:浮遊
実数値:157(252)-*-128(4)-135(76)-156(116+)-114(60)
持ち物:カゴの実
技構成:オーバーヒート/ボルトチェンジ/悪巧み/眠る
カバザシサンダーメタ。一般エース枠②。催眠耐性枠。
ヒトムへの処理ルートが手薄な構築に投げて悪巧みから積極的な崩しを狙いにいく。カバと対面した際は大体欠伸から入られるので、悪巧み→ダイバーンでカバ含めて相手の選出を半壊させることができる。ただ対カバサンザシにはノラゴンが同居する構築が終盤増えていたせいで、思うように投げられない場合も多かった。
ザシアン以外にもホウオウ・白バドなどの禁伝に雰囲気強かったり、最終日一定数いた珠キョダイリザードンにも後出しから切り返せたりと、処理の面倒な相手にケアが効く絶妙な性能をしていた。
余談だがスカーフ以外のFCロトムを最終日採用するのは何気に初めて。普段からスカーフ型を使いすぎるせいで初手ヒトムカバ対面トリック読みザシアン引きされた際は、笑いながら悪巧みダイバーンで破壊した。
ガラルファイヤー

性 格:臆病
特 性:逆上
実数値:165-*-111(4)-152(252)-145-156(252)
持ち物:拘りスカーフ
技構成:燃え上がる怒り/エアスラッシュ/蜻蛉返り/置き土産
黒バドメタ。スカーフ対面操作枠。
他の対黒バド枠のドラパゴリラと違ってアストラルビットに後出しから切り返せるのが偉い。謎に黒バドをメタりまくった構築になってしまったが、終盤の個体数増加を考えると豊富な処理ルートを用意したのは正解だったと思う。
ファイヤーの通りが良い構築に投げてスカーフ蜻蛉でサイクルを形成する他、有利対面からダイアークで積極的に崩しに行く動きが強い。
相手の後切りDMに対してウォール→スカーフ下の攻撃で上から縛ったり(ダイアーク+逆上のC上昇込みで倒しやすい)、ウォール→置き土産→裏のザシアンなどで切り返したりとDM下での行動の選択肢が多いのが魅力。置き土産から裏に繋ぐ展開は机上では最強だと思っていたが、実際想定通りの立ち回りが決まるケースは少なかった。
※この型は、私が出場する大会「Frontier」チームメンバーのあーもんど(@poke1800_almond)さんが以前考案したものです(今期のラグドラパゴリラの原案もそうだし、チームの恩恵を預まくっている)。この場を借りてお礼させていただきます。
選出パターン
基本的には「ザシアン(orドラパルト)+ラグラージ+@1」。ラグラージはほぼ選出した上で、相手に通りの良いor禁伝枠に応じたサブエースや禁伝メタ要員を適宜選出する。
ちなみにザシアンの選出にはあまり拘ってない。オーガ黒バド軸辺りへの選出率は控えめだし、ザシアンメタが手厚い構築にも選出はせず、他の一般エースを通すようにしていた。
各構築別選出
※こちらの選出の()内は、左から順に選出率高。
・ザシアン(+カバorラグ+サンダーetc)
+
+(
or
)
・カイオーガ(+サンダー+ナットレイ+ヒヒダルマetc)
+
+(
or
)
↑相手の初手との選出択。オーガ→ゴリラ。サンダー→ラグを合わせられるかでその後の選局がかなり変わる。ダルマ入りには初手ラグを強制されやすかったり(それでも安定しない)と、取り巻き次第では立ち回りの難易度が変化。
・黒バドレックス
(
or
)+
or
or
)+
・ムゲンダイナ(+受け)
+
+
・イベルタル
+
+@1
・ホウオウ
+
+@1
・日食ネクロズマ
(
or
or
or
)+
↑重い。弱保だったらラグを絡めつつ裏を通す。それ以外であればファイヤーorドラパルト+ザシアンなどで相手が展開する前に上から役割集中で制圧する。相手の型と立ち回り次第で難易度変化。
・白バドレックス
+
@1
おわりに






TNなみのはな:39位/レート2071
TNしおこうじ:159位/レート2009
今期はS14〜15やそれ以前までに培ってきた自分の好みだったり得意な構築系統で戦うことを強く意識していたのですが、レート2100や1桁順位は遠く、最終順位も本来望む結果には及びませんでした。
現状の自分に不足している部分を考えて、来期以降より良い結果を残せるよう精進していきます。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
スペシャルサンクス
・スカーフガラルファイヤー原案のあーもんどさん
・ラグドラパゴリラ原案のあーもんどさん、きのどくさん
・最終日通話に付き合ってくださった方々
・ねるにちの皆さん
・マリカ窓の皆さん
・ポケふぉの皆さん
・常日頃応援の言葉をかけてくださる方々
いつも本当にありがとうございます!
余談
youtube.com
先月の中旬頃からYouTube始めました!
動画投稿・配信等不定期で行っています。また今月は本構築の動画を投稿予定です。よければチャンネル登録等よろしくお願いします!

↑私がYouTubeで行っている配信「寝るまでランクマ」のサムネイルをオマージュしたイラストをせめだいん(@semedain_bond)から頂きました。今回も素敵なプレゼントをありがとうございます!この場を借りてお礼させていただきます。

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