【SVシングルS1使用構築】ブラヌチャン【最終38位/2328】

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※レンタルの公開は終了しました

 

コンセプト

・ステロ欠伸サイクルorトリック+積み展開

・高火力アタッカー+クッション

・対面+展開+サイクルの各動きを取り入れた柔軟度の高い構築

 

 

構築経緯

1.

現環境トップのドラゴンタイプ全般にある程度安定した受け先になり得そうなブラッキーを構築の始点としました。

次にブラッキーの欠伸を絡めた流し性能を十分に活かす上でステルスロックが欲しいと考えた時、デカヌチャンがタイプ上ドラゴンの一貫を切れたり、ブラッキーが起点になる身代わり持ちやサーフゴー・コノヨザルの積み展開などをアンコールで回避できる点が優秀だったため、この2体を構築の軸として残りの枠を検討しました。

 

2.

ブラッキーデカヌチャンのステロ欠伸展開から通すエースとしてノーマルテラス龍舞神速カイリューを採用しました。並びを形成する上でデカヌチャンとタイプ上の相性が良いのに加えて、カイリュー自身が誘うカバルドンガブリアスなどのステロ要因に対して風船持ちのデカヌチャンが有利を取れたりと様々なシナジーが取れてる点を評価しました。

 

3.

カイリューでは突破が困難なヘイラッシャ・ラウドボーンの天然勢やアーマーガアなどの物理受けへの崩しとして眼鏡ウォッシュロトムを採用しました。デカヌチャン+カイリューが誘う炎・地面タイプ(特にステロ地面全般)に強く、優秀なタイプとボルトチェンジの対面操作によって最低限サイクルパーツとなれるのに加えて、ブラッキーの願い事サイクルとの相性が良い点を評価しました。

 

4.

ここまでの4体で

・全て100族以下と中速〜低速ラインで固まっている

・電気とノーマル(主に神速カイリュー)の一貫が切れていない

・キョジオーンへの回答に乏しい

以上の点が気になったため、当初は物理スカーフドラパルト+隠密マント鈍いドオーを採用してカイリューが通せない場合に対面操作を絡めた受け寄りのサイクルをすることを目指しました。しかし思うようなサイクル形成ができなかったことやカイリューとのシナジーの乏しさから、スカーフサーフゴー+鉢巻ガブリアスに変更しました。本来構想していた時よりサイクル色が薄まりやや前のめりな並びとなりましたが、各々が単体性能に優れて幅広い対応範囲から勝ち筋を作ることができるのと、拘りアタッカー+クッションブラッキーカイリュー+サーフゴーの並びが強力だったため、そのまま採用に至りました。

キョジオーン対策を若干甘えてる部分はありますが、アタッカー全員がキョジオーンに抜群を付けたりトリックも複数採用してるので立ち回り次第でなんとかなると判断しました。

 

で完成。

 

 

個体解説

 

ブラッキー 

  

性 格:図太い

特 性:精神力

実数値:202(252)-*-178(252+)-*-151(4)-85

持ち物:食べ残し

テラス:フェアリー

技構成:イカサマ/欠伸/願い事/守る

構築の軸。クッション・詰ませ枠。デカヌチャンと合わせて欠伸展開を行ったり各拘りアタッカーを動かす上でクッションを担います。環境トップのドラゴン全般をある程度安定して受けつつ、流しや詰ませができるのが非常に優秀。タイプではなく数値で受けるポケモンなため、役割破壊のテラスに崩し切られるリスクが低いのも扱いやすいポイントでした。

技構成は昔から存在するテンプレートのまま使用。願い事を絡めたサイクルが強力で、デカヌチャン・ミトムといった有限のサイクルパーツに回復ソースを確保できるおかげで立ち回りの幅がかなり広がっていました。今作から回復技はほとんど最大PP8になりましたが、願い事は変わらずPP16あるのでPPの枯らしを気にせずに立ち回れるのが地味に優秀です。

特性の精神力はドドゲザンのアイアンヘッド・セグレイブの氷柱落としなどを筆頭に怯み技でのゴリ押しを回避することができます。もう一方のシンクロは現環境では鬼火ドラパルトぐらいにしか発動機会がないため、選択する価値は低いと判断しました。(追記:電磁波カイリュー・サーフゴー等にも一応刺さる場面はあります)

テラスは対ドラゴンへの性能を意識したフェアリータイプ。安易に切ると裏の鋼に縛られる事が多々あるので注意が必要でした。1ターンの技選択が勝敗を大きく左右したり、サーフゴー・キョジオーン等に隙を見せたりと気を配るべき部分は多いですが、上手く立ち回りさえすれば多くの試合を拾えるポケモンだと初めて使ってみて思いました。練度不足ゆえに落とした試合も少なくなかったので今後また使う事があれば理解度を深めていきたいです。

 

デカヌチャン 

(画像がなかったためザシアンで代用)

性 格:陽気

特 性:型破り

実数値:163(20)-127(252)-98(4)-*-126(4)-157(228+)

持ち物:風船

テラス:飛行

技構成:デカハンマー/叩き落とす/ステルスロック/アンコール

調整先

S…最速90族(コノヨザル)抜き

構築の軸その2でありマスコット枠。ステロ撒き・サイクルパーツ・アンコールを絡めた起点作成+流し+詰め・アタッカーまで様々な役割を担います。

耐久ベースで技構成も電磁波などを採用した起点作成に特化した型が多いですが、この構築ではASベースで採用。火力のあるデカハンマーや叩き落とすは相手に警戒されにくく、対面やアンコール後の引先に想定以上の負荷を与えるのが非常に強力でした。Sラインは最速90族抜きまで伸ばす事で、ブラッキーを起点に展開してくるサーフゴー・コノヨザルなどをアンコールで流すことができます(サーフゴーの特性を型破りで無視しつつアンコできるのは唯一無二)。タイプ自体が優秀で最低限サイクル参加はできるとはいえ耐久値自体は心許なく、特にドラパルト・ガブリアスサザンドラに対しての居座り(拘り特殊炎技・炎テラバースト)が安定しないのはネックではありましたが、ブラッキーやミトムに一度引いてから立ち回ることでなんとか対処していました。

風船を持たせる事で地面全般に対して有利に立ち回ることができるようになるのに加えて、カイリューが呼び込むステロ撒きであるガブリアスカバルドンなどに一方的な展開を許さないのが優秀でした。

テラスは飛行タイプ。風船を割った後に地面技での突破を図ってくる相手を無効化しつつ、アンコールで縛ることができます。このポケモンは立ち回りの幅が非常に広く、全てを言語化するのは難しいですが、優秀なタイプや技(特にアンコール)などのおかげでたくさんの勝利に貢献してくれました。調整や技構成のカスタマイズ性も高く、今後個体数が増えるポケモンだと思います。かわいくてつよいのは正義。

 

カイリュー

性 格:意地っ張り

特 性:マルチスケイル

実数値:191(196)-190(148+)-116(4)-*-121(4)-120(156)

持ち物:ラムの実

テラス:ノーマル

技構成:地震/神速/龍の舞/羽休め

調整先

H…16n-1

S…龍舞1積みで最速110族(ゲンガー)抜き

A…余り

積みエース枠・スイーパー。デカヌチャンブラッキーのステロ欠伸やミトムサーフゴーのトリックから展開して全抜きを狙います。

型が非常に豊富なポケモンですが、この構築ではステロ欠伸展開から通すのが役割なので龍舞型で採用。上から縛れるポケモンが好みなのでスイープ性能の高いノーマルテラス+神速型を選択しました。サブウェポンは非接触でありながら鋼全般を筆頭に高打点が見込める地震です。

HASのラインは非常に悩み、当初は神速のリーチと耐久面を出来る限り確保するためにHAにほぼ特化したのを使っていましたが、最低でも龍舞後に100族付近は抜きたかったのと、アンコール持ちのゲンガーが一定数存在したのでそれらを龍舞後に上を取れるラインまで伸ばして残りをHAに振り分けました。鋼テラスサザンドラ・ゴーストテラスロトム・アーマーガアなどに打点がないのは不便で炎のパンチや飛行テラスも検討しましたが、個人的にはこの構成が一番扱いやすかったです。

持ち物は相手の欠伸や電磁波展開、ウルガモスの炎の体などをケアできるラムの実。ゴツメを持たせて重たいドドゲザンなどに強くすることも考えましたが、ラムが活きる場面が非常に多く最後まで手放せませんでした。環境トップゆえにメタも手厚く、選出する際には相手の対策に抗いながら通さなければならないのがシビアではありましたが、それを加味してもなおパワーを感じるポケモンでした。

 

ウォッシュロトム

性 格:控え目

特 性:浮遊

実数値:157(252)-*-127-172(252+)-128(4)-106

持ち物:拘り眼鏡

テラス:ノーマル

技構成:ハイドロポンプ/騒ぐ/ボルトチェンジ/トリック

崩し枠・サイクルパーツ。初手デカヌチャンの誘う地面・炎タイプ全般やカイリュー対策に出されるヘイラッシャ・ラウドボーンに投げてサイクル下で負荷をかけていきます。

眼鏡ハイドロポンプの火力は(当てさえすれば)凄まじく、電気の一貫がある相手へのボルチェンの負荷も強力でダメージレースに大きく貢献してくれました。ブラッキーが投げられない構築にはこのポケモンをクッション枠として選出することも多かったです。火力耐久共に出来る限り伸ばしたかったのでHC特化。余りはDに振ることでロトムミラーで相手のボルチェンの下から動いて交代先に負荷をかけられるのに加えて、無補正C252サーフゴーのシャドーボールが確定3発になったりします。

騒ぐは10万ボルトをあまり撃たなかったので採用しましたが、相手の欠伸展開の一貫を切れるのとトリトドンや貯水ドオーなど水電気の範囲が通らない相手にある程度打点を持てるのがそれなりに優秀でした。身代わり展開へのメタになったりもします。

テラスはノーマルタイプ。騒ぐをタイプ一致で撃つというよりかは、サーフゴー意識での選択です。ブラッキーに後出ししてくるサーフゴーにイカサマ→交代のタイミングで悪巧みを積まれた際、テラスを切る事でシャドボを無効化しながらドロポンで倒したり、ボルチェンで削ってから後続で上から縛る事ができます。もちろん騒ぐの打点も上げられるので、相手にノーマル技の一貫があった場合にはこのポケモンのテラス騒ぐで崩しに行くこともたまにありました。実際にはドロポン外しや気合い玉を撃たれて腐るケースも多々あったので、ドロポンの崩し性能を高める水・対ドラゴン意識のフェアリー辺りでもよかったかもしれません。

 

サーフゴー

(画像がないのでギルガルドで採用)

性 格:控え目

特 性:黄金の体

実数値:175(100)-*-115-196(204+)-111-130(204)

持ち物:拘りスカーフ

テラス:飛行

技構成:ゴールドラッシュ/シャドーボール/自己再生/トリック

調整先

H… 16n-1

HD…無補正252振りゲンガーのシャドーボール93.8%耐え(150〜176)

S…スカーフ込みで準速ドラパルト抜き

スカーフ枠・ノーマルの一貫切り・状態異常対策枠・スイーパー。対面的な選出をしたい時や受け寄りの構築、通りの良さそうな構築にはとりあえず投げるような感じで扱っていました。初手に置いて対面的に殴ったり、トリックで縛ってからカイリューの積み展開に繋げたり、裏から投げてスイーパーして運用できたりと様々な動かし方ができて非常に使い勝手が良かったです。モロバレルキノガッサ・欠伸展開など対策の面倒な部分がこのポケモンを入れておくだけで解決できるのはやはり優秀です。

サイクル加入する場面も多そうだったのである程度耐久に振りましたが、最速ドラパルトを抜けてないのは諸説あるためCSに振り切ってもよかったかもしれません。

テラスは飛行テラス。テラス+トリックで地面を縛るのを意識しましたが、実際に行う事はあまりなかった(デカヌチャンミトムカイリューと対地面自体が過剰)ため、ゴールドラッシュのリーチを伸ばせる鋼などの方が良かったと思います。技構成に関しても自己再生を選択する場面は少なかったので、重めなドドゲザンやサザンドラへの打点となる気合い玉、ウルガモス意識のパワージェムを採用した方が拾えた試合は多かったです。

 

ガブリアス

性 格:陽気

特 性:鮫肌

実数値:183-182(252)-116(4)-*-105-169(252+)

持ち物:拘り鉢巻

テラス:フェアリー

技構成:逆鱗/地震/ストーンエッジ/テラバースト

崩し枠・電気の一貫切り・対面アタッカー。他のポケモン達と比較して明確な役割があるわけではないですが、サーフゴー同様通りが良いと思った相手には雑に投げていました。サイクルへの崩し性能は適切な技選択が出来れば強かったものの、タイプ一致の2つが無効かつ拘り持ちなせいでどうしても択になりがちなのがネックでした。電気の一貫は切りたかった上で、地面タイプの中からガブリアスというポケモンを選択した事自体は間違っていなかったと思いますが、型自体は検討の余地がありました。当初はキョジオーン対策に隠密ドオーを入れていたので、同様に隠密マントを持たせてもよかったかもしれません。

テラスはフェアリータイプ。ドラゴンミラーでブラッキーデカヌチャンに引く以外の選択肢が確保できることに加えて地面+ドラゴンの範囲をタイプ無効でいなそうとしてくる相手にフェアリーテラバが等倍で一貫するのが優秀でした。対ドドゲザンにおいて不意打ちを半減に抑えられるのもポイントです。ストーンエッジは一度も撃たなかったので、重い鋼テラスサザンドラや壁展開に通る瓦割りやフェアリー打点のアイアンヘッドの方が良かったと思います。

 

 

選出パターン

カイリュー展開

1-1.++

構築を組んだ当初想定していた選出。カイリューを通せそうな構築に投げ、デカヌチャン+ブラッキーのステロ欠伸によるサポートからカイリューでの全抜きを狙います。デカヌチャン→カイリューと対面的に展開した後、ブラッキーで詰ませる場合もありました。デカヌチャンは相手の構築や初手次第でステロを撒くor攻撃技で削るかの判断が重要。また裏に残す事で活かそうな場合は、初手ステロ撒きや削りだけをさせて安易に切るのではなく、極力温存してアンコールで流しや詰ませ、相手次第では願い事で蘇生させる動きも狙いに行っていました。

1-2.++

カイリューが通せそう+ブラッキーが動きにくいor相手にラウドボーンヘイラッシャがいる場合の選出。デカヌチャンミトムの有限サイクルの中でいかにミトムが行動回数を稼ぎ、相手のサイクルを消耗させられるかが重要。1-1よりこちらの方が選出する機会は多かったです。

カイリュー+サーフゴー

2.+or+

カイリュー+サーフゴーの通りが良い場合の選出。サーフゴーが初手置きから対面的な殴りやトリックの起点作成、裏に置いて詰めまでなんでもできるので相手によって臨機応変に投げる順番は変えていました。ステロや単純に通りの良い時にはデカヌチャン、クッション枠が欲しい場合はブラッキーを投げていました。

・拘りアタッカー+ブラッキー

3.oror+

カイリューの通りが悪かったり、拘りアタッカーで対面的に殴るのが強そうな場合の選出。各アタッカーを柔軟に動かす上でクッション枠は欲しいためブラッキーは確定。サーフゴーも初手置きや詰めで使いたいのでほぼ確定で選出。残りは相手によってミトムorガブリアスのどちらかを投げていました。

 

他にもいろんな投げ方をしましたが、大まかに分けるとこれら3つの選出パターンが多かったです。私が上から殴れるアタッカーで詰める動きが好みなため、サーフゴーorカイリューのどちらかを選出しつつ残り2体を考えることが多かったです。サーフゴー・コノヨザル・キョジオーンのいずれもいない構築(早々ないですが)にはブラッキーがかなり自由に動けるため、その場合にはブラッキーで詰めるプランを念頭においた上で残りの選出を固めていました。

 

 

重たいポケモン

単体…ドドゲザン・サザンドラ(特に残飯身代わり)・ウルガモス(厚底ブーツ)

並び…ラウドボーンorヘイラッシャ+サザンドラ・キョジオーン+マスカーニャorドラゴン全般・ステロ+ブーツウルガモス

※思い付き次第随時更新します

デカヌチャンの調整、ガブリアスの技構成、サーフゴーの技構成・テラス、カイリューの持ち物・調整などで改善する余地は十分にあるのですが、並びが完成するまでに時間がかかって単体ごとの型を詰めることができなかったのが反省点です。

 

おわりに  

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TN:しおこうじ 最終38位

 

SV最初のシーズンで2桁前半に食い込めたのとSV新ポケモンの中で好きなデカヌチャンと戦えたのは嬉しいです。その一方で2桁に載せるまでに時間がかかりすぎて上で潜りきれなかったり、環境や自身の構築への理解度・立ち回りも浅く、現状最上位で戦い抜く力は不足してると感じました。改めて初心に立ち返って一から精進していきたいと思います。ここまで閲覧いただきありがとうございました。