コンセプト
・構築内におけるサイクル+積み展開+対面の両立
・ガオガエン+カットムの対面操作+鬼火からドラパルト・アシレーヌ・ミミッキュを通す
構築経緯
1.今シーズン(前シーズン含め)は、S4に使用して手応えを感じた【龍舞ドラパルト+ガオガエン】を使い続けたいと考えていたため、この2体から再度構築を組み始めた。
2.S4で使用した【CSスカーフミトム】が環境に増加傾向にあった【スカーフ型破りドリュウズ】に後続の【ドラパガエン】を含めてかなり一貫を取られてしまうため、採用の継続が困難であると判断して解雇。他に似たような役割が担えるポケモンを模索したところ【CSスカーフカットム】に注目した。
同じ【FCロトム】でありながら【型破りドリュウズ】の「地面技」を等倍で受けることができ、また環境に大繁殖していた【ナットレイ】に対して「宿木の種」の一貫を切りながら「トリック」や「鬼火」を入れて機能停止にし、後続に繋げる点を高く評価して採用に至った。
S4の基本選出であった【ドラパルト+ガオガエン+ミトム】を【ミトム→カットム】にした【ドラパルト+ガオガエン+カットム】を構築の基本選出として、残りの3体を検討した。
また残りの枠は、前述した3体の並びで重いポケモン・並びをケアできるのに加えて「サイクル戦」が困難な構築に対してある程度「対面戦」を仕掛けられるポケモンを採用し、構築内における「サイクル+対面」の両立ができるようにそれぞれ検討していった。
3.そこでまず始めに【ドリュウズ】を【襷ステロ型】で採用した。
「対面選出」の一員として初手の「襷アタッカー」や後続に置いて「襷+岩石封じ」を駆使した「エースストッパー」としての役割を遂行ができ、また【ドラパガエン】で重い【トゲキッス 】【ミミッキュ】に対して圧力を掛けたり「電気技」の一貫を切れる点を評価した。その他「ステルスロック」+【ガオガエン】の「威嚇」+「捨て台詞」で相手の交換を強要しながらサイクルを回して「ステロ」ダメを稼ぎつつ、後続を通していく立ち回りが有用であると考えて採用に至った。
4.次に【ガエンカットム】や【ドリュガエン】のサイクルから展開していける【ドラパルト】以外の「積みエース」枠として【アシレーヌ】を【HB身代わり瞑想型】で採用した。
「鬼火」や「威嚇」+「捨て台詞」から展開して「瞑想」を積んだ際に環境上位のポケモン・並びに幅広く撃ち合える点に加えて「瞑想」+「身代わり」の詰ませ性能の高さや「サイクル」「対面」両方の選出に自然と組み込める「水/フェアリータイプ」耐性の優秀さと単体での対面性能の高さを評価した。
5.最後に「対面選出」の中核を担え「積みエース」から「DMへの切り返し」など万能な活躍が見込める【ミミッキュ】を【アッキHA剣舞型】で採用した。
で完成。以下個別解説と選出パターンに移る。
個別解説
※採用順に掲載
ガオガエン
性 格:慎重
特 性:威嚇
実数値:201(244)-135-122(92)-*-145(172+)-79 ※S28-29個体値
持ち物:混乱実
調整先
HB-A252珠アイアントのダイロック威嚇込み確定耐え
A252珠ミミッキュの剣舞ダイフェアリー威嚇込み確定耐え
HD-C252珠トゲキッスのエアスラッシュ→ダイジェット確定耐え
C252+ラプラスのダイストリーム確定耐えS-無振り60族-1
構築の起点。サイクル要員その1。採用経緯や主な役割、HDベースでの採用理由については下記を参照。
【剣盾S4使用構築】ドラパガエンミトム鬼火コントロール【最終2位】 - 日本の伝統調味料
※以下本構築におけるガオガエンの役割や立ち回りについて触れつつ、技構成や調整への私見を述べまくってるため、やたら長めで訳の分からないことになってます
・HBorHD
HBベースの個体も運用したが、【ドラパガエン】で重い【トゲキッス 】やS6に入って急激に個体数が増加した【リザードン】のケアが構築単位で不十分なため、最終的にそれらを誤魔化せるHDベースに落ち着いた。【ドリュウズ】の他に【カビゴン】などを併せて採用できている場合は、HBでの採用が安定だと思う。
・炎技の物理or特殊
本構築では主に【トゲキッス 】【ミミッキュ】【ニンフィア】【ラプラス】へのダメージ量を意識したり、状況に応じてDMを切った際のアタッカー性能を引き上げるために「フレアドライブ」を採用した。【ナットレイ】に無反動でダメージを与えられたり【アーマーガア】の起点回避を図れる「火炎放射」も候補に挙がるが、【ナットレイ】はともかく【アーマーガア】に関しては若干増加傾向にあった「タラプの実」持ちには結局起点にされ、「弱点保険」持ちには起動役となって返り討ちにされるため、一概に「火炎放射」の採用が安定とは言えないと思う。
・対面操作技の捨て台詞or蜻蛉返り
本構築では主に【ドリュウズ】の「ステロ」から「威嚇」+「捨て台詞」で相手の交換を強要しながらサイクルを回して「ステロ」ダメを稼ぎつつ、後続を通していく立ち回りを想定しているため「蜻蛉返り」の採用は見送った。
「捨て台詞」は対面操作技をしながら能動的に起点作成を行える技として優秀である反面、ダメージレースにおいて負担をかけられないのが難点であったが「ステロ」と併用して運用することでその課題を克服できるようになった。「蜻蛉返り」はダメージレースをより意識する・能力下降による起点作成をそこまで必要としない・【ミミッキュ】の「化けの皮」へのケアに重点を置く場合などに採用されると思う。
・Sライン
本構築では【ピクシー】【ニンフィア】などの60族に対して確実に下から行動できつつ、ミラーでのS関係を明確にするために「S個体値28-29」の個体を採用した。
その他のSラインとしては「下降補正個体値31」「下降補正個体値0」などが挙げられるが、前者はカバルドン意識でSに多めに個体値を割いた【ローブシン】【ドサイドン】に上を取られる可能性がある(個体数や調整含めてかなりレアケースではある)こと、後者は先程の理由に加えて最遅ミラーでの同族ゲーが発生するのがネックだと感じたため、S調整を施した40〜45族付近をほぼ確実に抜けつつ、ミラーでのS関係を明確にできる(抜かれる→「〜無補正無振り」抜く→「S26-27〜」)上記の個体での採用に至った。
ドラパルト
性 格:意地っ張り特 性:すり抜け(orクリアボディ)
実数値:189(204)-189(252+)-95-108-95-169(52)
持ち物:ラムの実(or命の珠)
技構成:ドラゴンアロー/ゴーストダイブ/鋼の翼(or大文字)/竜の舞
調整先
A-特化
S-最速100族+2
本構築のエースその1。【ガエンカットム】や【ドリュガエン】のサイクルで一貫を作ってから「龍の舞」を積んで全抜きを狙っていく。
※元々はS4の「残飯身代わり龍舞型」(陽気S実数値196までSラインを上げた個体)を採用していたが、後述する【アシレーヌ】に「残飯」が欲しい場面の方が多かったため、不本意ながら最終日直前「ラムの実」持ちに変更した。
「ラムの実」を持つことで主に【カバルドン】展開に強く出られるようになったり、「鬼火」「熱湯」「電磁波」持ちの相手の前で「龍舞」が安定するようになった。また「身代わり」を切って「鋼の翼」を採用したことで「龍舞」を積んだ後、主に【カビゴン+トゲキッス+ミミッキュ+ドリュウズ】といった環境上位の並びを筆頭に、一貫を取れる構築の幅が増えたのが強かった。ただし「残飯」が持てない兼ね合いで回復ソースは一切ないため、ダメージ管理とその中で「龍舞」を積むタイミングにはかなり注意を払っていた。
最終日は増加傾向にあった【威嚇ギャラドス】の他【ガオガエン】意識で特性を「クリアボディ」にしたり【ナットレイ】【アーマーガア】入りのサイクル意識で技を「大文字」に変えたりしていた。その他持ち物を「命の珠」にするなど、細部を弄りながら潜っていた。調整も含めてまだ改良の余地あり。
カットロトム
性 格:真面目※臆病ミント使用
特 性:浮遊
実数値:143(140)-*-128(4)-143(140)-128(4)-147(220+)
持ち物:拘りスカーフ
調整先
H-16n-1
S-最速81族+1
「スカーフ」枠。サイクル要員その2。初手に投げて先制「ボルトチェンジ」で削りを行ったり【ガオガエン】と併せて対面操作を行う。またサイクル戦で疲弊した相手のポケモンの一掃を担う。
S4で採用していた【ミトム】と比較して【型破りドリュウズ】に「地震」で抜群をつかれない・【ナットレイ】に強め(「宿木の種」無効)である点が優秀だった。
【ナットレイ】入りや【アーマーガア+ピクシー+ドヒドイデ】のような受け回しの構築には積極的に選出して「スカーフトリック」を通しにいっていた。その他【ホルード】や【カバルドン+ギャラドス】のような並びにも強めだったりと、環境にかなり刺さっているポケモンだったと感じた。
技構成は「リーフストーム」「ボルトチェンジ」までは確定として、残りは先述した通り、「受け回し」への潰しとなる「トリック」と物理潰しの「鬼火」を両採用した。上から撃てる鬼火は強い。
調整は「ダイジェット」を積んだ【ギャラドス】をある程度削れている場合に上から縛れる最速81族抜きまで振った上で、残りをHCに振り分けた。耐久ラインに関して明確な意図はないが、ここまである程度Hに振ると無振りの場合に耐えられない有象無象の攻撃を耐えられるようになり、そこそこ使い勝手が良くなった。
ドリュウズ
性 格:陽気
特 性:型破り
実数値:185-187(252)-81(4)-*-85-154(252+)
持ち物:気合の襷
「襷」枠。「ステロ」要員。対面選出要員その1。【ミミッキュ】【トゲキッス 】などの「フェアリータイプ」や【パッチラゴン】【ミトム】などの「電気タイプ全般」へ圧力をかけていく。
初手に投げて「襷アタッカー」として運用する他、後続に置いて「襷+岩石封じ」を駆使した「エースストッパー」や「ステロ」撒きなど、その役割は多岐に渡る。
【ドリュウズ】を「ステロ」撒きとして運用する場合は、安易に「ステロ」→「攻撃」で切るのではなく、なるべく有利対面を作ってから「ステロ」を撒きつつ、「サイクルパーツ」及び「アタッカー」としても併用していく立ち回りを取ることを心掛けていた。
アシレーヌ
性 格:図太い
特 性:激流
実数値:187(252)-*-134(220)-146-136-85(36)
持ち物:食べ残し
技構成:熱湯/ムーンフォース/身代わり/瞑想
調整先
S-無振り60族+5
エース枠その2。【ガエンカットム】や【ドリュガエン】のサイクルで一貫を作ってから「瞑想」を積んで盤面を制圧していく。
「瞑想」を一度積めれば【ミミカビドラパドリュキッス】を筆頭とした環境上位の並びの大半に五分以上で撃ち合える対面性能の高さを誇る。【ガエンカットム】の「鬼火」「威嚇」+「捨て台詞」から繋いで「瞑想」を積んでいく立ち回りが強かった。
【ドヒドイデ】【ヌオー】【ブラッキー】のような耐久ポケモンには「身代わり」を絡めつつ「瞑想」で積みの起点にしていけるため、受け回しの構築には積極的に選出していた。
調整はHBベースで同族の【ピクシー】【ニンフィア】やミラーで最低限Sを振り、残りを全てHBに回した。ここまで振ると前述した通り【A252ドリュウズ】の「地震」レベルであれば残飯込みで確定3発で抑えられるため物理対面での殴り合いが安定したり【無振りカビゴン】の「空元気」を身代わりが確定耐え(「ヘビーボンバー」だと高乱数で割られるため意味はあまりない)したりと有用に働く場面がそこそこあった。
火力面は基本的に瞑想をある程度積んでから殴っていくことを想定しているため無振りでも気になることはなかったが、素早さに関してはブラッキーやSに振ってないアーマーガアの上を取れるぐらいまでもう少し振るべきだったと思う。
技構成は型のコンセプト上「瞑想」「身代わり」とメインウェポンとなる「フェアリー技」の「ムーンフォース」は確定として、「水技」には追加効果の火傷でワンチャンを狙える「熱湯」を採用した。
ミミッキュ
性 格:意地っ張り
特 性:化けの皮
実数値:159(228)-156(252+)-104(28)-*-125-116
持ち物:アッキの実
技構成:じゃれつく/影撃ち/ドレインパンチ/剣の舞
調整先(下記の構築記事を参考にしました)
A-特化
【ポケモン剣盾】週末大会優勝!気合の襷ナットレイ軸 願い事サイクル(寄稿:澤村)【レンタルチーム付き】 | ポケモンソルジャー【ポケソル】(無断転載につき問題があれば削除します)
エース枠その3。対面選出要因その2。相手のDMへの切り替えし枠。「対面選出」の要として【ミミッキュ】で詰められそうな場合や、他のポケモンでDMを切った後、相手のDMに対する詰め筋が欲しい場合に積極的に選出していく。
※元々は「命の珠」持ちで運用していたが、最終日に「アッキの実」へ変更した。
対面性能が非常に高く、特に物理方面に関しては「アッキ」を発動させることができれば【ギャラドス】相手の【ミミッキュ】といった物理アタッカーに撃ち勝つことができたり「ドレインパンチ」のおかげで【カビゴン】【ナットレイ】にもワンチャン勝てる可能性があるのが強かった。
技構成は積み技の「剣の舞」先制技の「影撃ち」までは確定として、残りは前述した通り【カビゴン】【ナットレイ】意識の「ドレインパンチ」に加えて、メインウェポンでありDM時に「ダイフェアリー」で【カビゴン】【カバルドン】の欠伸展開に切り替えしの効く「じゃれつく」を採用した。
調整は「珠」を持たない兼ね合いで火力方面がギリギリであるためAを特化し、DM時のHP総量を考慮してできる限りHに振った上で残りをBに回した。Hを削ってBに回したり、ミラー意識で最低限Sに振った方がいい気もしたので、調整に関しては一考の余地あり。
選出パターン
1.+( oror)
基本選出。【ガエンカットム】でサイクルを回しつつ、「鬼火」や「トリック」を駆使して後続の一貫を作って全抜きを狙っていく。「欠伸展開」や技の一貫が取れそうな構築には【ドラパルト】を、受け回しや「身代わり」+「瞑想」で詰ませられそうな構築には【アシレーヌ】を選出していた。
2.+(or)+( oror)
ステロの一貫がある時にする選出。【ドリュウズ】で「ステロ」を撒いた後【ガオガエン】の「威嚇」+「捨て台詞」で相手の交換を半ば強要させながらサイクルを回して「ステロ」ダメを与えながら後続の一貫を作る。「ステロ」に加えて「スカーフ+トリック」を絡めて後続を通していく方が良さそうな場合には【カットム】を選出していた。
3.++(or)
対面選出。【ドリュウズ】と【ミミッキュ】の行動保障を活かしてできる限りサイクルを回さずに対面的な立ち回りを取る。残り1枠には対面性能がそれぞれある程度確保されている【アシレーヌ】【ガオガエン】の選出していた。相手の対面の並びにはこの選出をすることが多かった。
おわりに
最終順位12/最終レート2173。TN「しおこうじ」
1桁には届きませんでしたが、S3と同様に最終2桁かつ10位台を達成できて嬉しいです。いつかどこかのシーズンでS4で達成できなかったあの順位を達成することを最高目標として、現環境の節目となるS7やDLC解禁後のS8以降を頑張っていきます。ここまでご覧いただきありがとうございました。
スペシャルサンクス
・常日頃や最終日にTwitterで応援の言葉をかけてくださった方々
・通話で構築の相談相手になってくださった方々
・ねるにち界隈
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