コンセプト
・ 柔軟な試合展開を行えるサイクル+積み展開
・ミトム+ガオガエンの対面操作+鬼火からドラパルト・トゲキッスを通す
・ドリュウズorナットレイのステロ+ガオガエンの威嚇捨て台詞から 〃
構築経緯
1.
S4から長く使用し続け、扱い慣れた【残飯身代わり龍舞ドラパルト+ガオガエン+スカーフミトム】の【ドラパガエンミトム】を主軸に構築を組み始めた。
※【ドラパガエンミトム】については下記構築記事を参照
【剣盾S4使用構築】ドラパガエンミトム鬼火コントロール【最終2位】 - 日本の伝統調味料
【ドラパガエンミトム】は現環境においてトップメタである【エースバーン】に対して並びでの対応がある程度可能な点を評価した。この強みを立ち回りに落とし込みながら、この3体の並びで重たいポケモン・並びに対応ができ、かつサイクル参加が可能なサイクル・エース枠を検討した。
2.
まず始めに初手の「襷アタッカー」「ステロ要員」や「襷+岩石封じ」を駆使した「エースストッパー」として後続に置きやすく【ドラパガエン】で重い【トゲキッス】【ニンフィア】等の「フェアリータイプ」や、構築全体で重くなる【パッチラゴン】【ジバコイル】等の「電気タイプ」の一貫を切れる【襷ステロドリュウズ】を採用した。
3.
次に構築全体で重くなる【ラプラス】【アシレーヌ】等の水タイプや【ドリュウズ】の一貫を切れ、また【ガエンミトム】それぞれとの相性補完が優秀なサイクル要員となれる他【ドリュウズ】が選出できない時の「ステロ要員」に置ける枠として【ナットレイ】を採用した。
4.
最後に【ドラパルト】との攻撃範囲の補完が優秀な第2のエース枠として【ラム日差し悪巧みトゲキッス】を採用した。
で完成。
基本的には【ドリュorナット】のどちらかで「ステルスロック」を撒く→【ミトムorガエン】の対面操作技でサイクル戦を行いながら相手に負担を与えたり、「威嚇」「捨て台詞」のデバフや「鬼火」「トリック」で起点を作る→【ドラパorキッス】のどちらかを通すのが主な立ち回りとなる。
個別解説
ドラパルト
性 格:陽気
特 性:クリアボディ
実数値:193(236)-163(180)-96(4)-*-97(12)-189(76+)
持ち物:食べ残し
技構成:ドラゴンアロー/ゴーストダイブ/身代わり/龍の舞
調整先
S-最速119族+1
DLポリゴン2意識のD>B
エースその1。【ドリュorナット】の「ステロ」から【ミトムorガエン】での対面操作で有利対面を作ったり「鬼火」「捨て台詞」「トリック」等で起点を使ってから「身代わり」を貼り「龍の舞」を積んで全抜きを狙っていく。
【ポリゴン2】の台頭により以前に比べると通りは悪くなってしまったが【ミトムナット】の「トリック」「叩き落とす」で「進化の輝石」を無効化したり、また「イカサマ」が無ければ【ガオガエン】の「バークアウト」「捨て台詞」でデバフを掛けまくってから起点にしたりと、選出と立ち回り次第では何とか対応することができた。また【ポリゴン2】のいない構築(ほぼいない)に対してはかなり強気に通していけたと思う。
「Hライン」はサイクル戦の中で後出しする機会の多さや、有象無象の攻撃を耐えるために最大限まで振り「Sライン」は「最速エースバーン抜き」まで上げて、残りをAに回した。
過去に使用した【ドラパルト】に比べて若干Aを削った形にはなったが、サイクル戦の中でうまく削りを入れたり「龍舞」を積み切ってから通すことが多いため、火力面で気になることはほとんどなかった。
「特性」は【ギャラドス】【ウインディ】【ガオガエン】等の「威嚇サイクル」へのメタやDM同士の撃ち合い時のデバフを無効化できる【クリアボディ】で採用した。
ガオガエン
性 格:図太い
特 性:威嚇
実数値:201(244)-*-155(244+)-100-110-83(20)
持ち物:混乱実
技構成:バークアウト/挑発/捨て台詞/鬼火
調整先
S-4振り61族+1
サイクル要員その1。タイプ上有利な物理全般に対するクッションであり「ステロ」と併せて「威嚇」+「捨て台詞」で相手を流しつつ、削りを入れてサイクルを回したり「鬼火」で後続の起点を作っていく。
トップメタである【エースバーン】に対して【ドラパorキッス】対面から【ガオガエン】に交代することで、相手から飛んでくるであろう「炎技」「鋼技」を受けながら「鬼火」「捨て台詞」などを絡めてサイクルを展開し【ドラパorキッス】で起点にしていく流れが強かった。
「調整」は以前【トゲキッス 】【ニンフィア】等の特殊「フェアリータイプ」や【リザードン】への誤魔化しとして「HDベース」で採用していたが、現環境においてはトップメタである【エースバーン】【ゴリランダー】に対するクッション性能を強く要求されるため「HB特化」で採用した。
「Sライン」は同族である【アシレーヌ】【ラプラス】に対して上から「捨て台詞」を撃って【ミトムorナット】に交代した方が良く、また【ニンフィア】【ピクシー】【ポリゴン2】にはそれに加えて「挑発」を上から当たれば補助技を阻止できるため、耐久ラインを落とさない範囲で「4振りバンギラス抜き」まで最低限Sを振った。ミラーも上から「挑発」を撃つことで相手の下からの「捨て台詞」を阻止できたりと、技構成の都合上ミラー意識でSを落とす必要性は「蜻蛉返り」を搭載されてる場合以外感じなかった。
「技構成」は【ガオガエン】のアイデンティティとなる対面操作技で「ステロ」とのシナジーが高い「捨て台詞」は確定。残りの技は物理全般への潰し+起点作成の「鬼火」・【ドラパルト】への打点+デバフでの起点作成が行える「バークアウト」・【ガオガエン】自身が苦手とする【カバルドン】【ナットレイ】等のステロ展開を阻止できる他、前述したように一部の同族やミラーとの対面で役立つ「挑発」を採用した。
「バークアウト」は【身代わりドラパルト】に対しての貫通打点となる他【身代わりポリゴン2】に対して「バクア」連打→【ドラパ orキッス」で起点にしていけるのが優秀だった。
また「挑発」は主に【カバルドン】に対して「挑発」で「欠伸」「ステロ」阻止→「捨て台詞」で地震を透かしつつ【トゲキッス】後出し→「悪巧み」の起点にしていく立ち回りを取れるのが強かった。
「炎技」は技構成の都合で切った形になったが、主に撃ちたい【ナットレイ】【ゴリランダー】等に対しては「鬼火」→【ドラパorキッス】で対応ができるため、なくても気になることはそこまでなかった。【ニンフィア】【トゲキッス 】等の「フェアリータイプ」への有効打が無くなったが、物理打点の「フレアドライブ」を採用しない限り打点はないに等しいので問題ない。
「鬼火」の枠は「嫉妬の炎」で採用していた時期もあったが、前述した理由で「炎技」を搭載する意義が薄かったことに加えて、主に非DMの【エースバーン】を筆頭とした物理全般に対して火傷を入れられないのが気になることが多く、確実に物理潰しができる「鬼火」を採用した。
ウォッシュロトム
性 格:真面目※臆病ミント使用
特 性:浮遊
実数値:143(140)-*-128(4)-142(132)-129(12)-147(220+)
持ち物:拘りスカーフ
調整先
S-スカーフ込みで最速ギャラドス+1
DLポリゴン2意識のD>B
「スカーフ」枠。サイクル要員その2。初手に投げて先制「ボルトチェンジ」で削りを行ったり【ガオガエン】と併せて対面操作を行う。またサイクル戦で疲弊した相手のポケモンの一掃を担う。
トップメタである【エースバーン+トゲキッス+カバルドン】のような並びに単体で強く、また【ポリゴン2】や一定数いる「受けループ」に対しても「スカトリ」で崩すことができるため、現環境に刺さっているポケモンだったと思う。
【ミトム】を現環境において使う上で最もケアしなければいけない【ゴリランダー】に対しては【ドラパガエン】【ナットレイ】【トゲキッス 】と構築単体で圧力を掛けられており、選出されづらいor選出されても困ることがほぼなかったため、かなり動かしやすかった。
ただし【ドラパルト】だけは偶発対面した場合、型次第では簡単にサイクルが崩壊しかねないため【ドラパルト】入りの構築に出す際には、選出と立ち回りに注意が必要だった。
ナットレイ
性 格:呑気
特 性:鉄の刺
実数値:181(252)-114-201(252)-*-137(4)-22
持ち物:オッカの実
技構成:ジャイロボール/叩き落とす/宿木の種/ステルスロック
「ステロ」要員その1。サイクル要員その3。【ドラパガエン】で重い【アシレーヌ】【ラプラス】等の「水タイプ」や【ドリュウズ】等の「地面タイプ」に強めな枠。
前述したポケモンの他【ポリゴン2】に対して強いのも優秀で「身代わり」持ち以外には、後出しをしながら「叩き落とす」で「進化の輝石」を無効化しつつ崩していけるのが良かった。
【ミトムorガオガエン】との相性補完が優秀で、それぞれ対面操作技から【ナットレイ】後出し→「ステロ」「宿木」を撒いてサイクルを形成していき、最終的に【ドラパorキッス】を通していく流れが強かった。
【エースバーン】には成す術がないので、もし【エースバーン】入りの構築に出す際には、初手に置くことは絶対に避ける他、サイクルの中で対面してもケアの効く立ち回りや選出を心掛けていた。
ドリュウズ
性 格:陽気
特 性:型破り
実数値:185-187(252)-81(4)-*-85-154(252+)
持ち物:気合の襷
「ステロ要員」その2。「襷要員」。【ドラパガエン】で重い【トゲキッス】【ニンフィア】等の「フェアリータイプ」や構築単位で重くなる【ジバコイル】【パッチラゴン】等の「電気タイプ」に強めな枠。
初手に投げて「襷アタッカー」として運用する他、後続に置いて「襷+岩石封じ」を駆使した「エースストッパー」や「ステロ」撒きなど、その役割は多岐に渡る。
【ゴリランダー】【ウーラオス】の台頭や個体数が増加した【カバルドン】に対して隙を見せやすいため、以前に比べて気軽に初手に置いたり、選出自体がしづらくなったりと逆風は強かったが【ドリュウズ】の存在により前述したポケモンに構築単位で隙を見せずに済んでいたのは良かった。
トゲキッス
性 格:臆病
特 性:天の恵み
実数値:191(244)-*-116(4)-141(4)-136(4)-145(252)
持ち物:ラムの実
参考元
エースその2。【ドラパルト】では突破の困難な相手に対して選出し、全抜きを狙っていく。
「マジカルフレイム」「朝の日差し」を搭載することで【ポリゴン2】との対面で「マジフレ」→「悪巧み」→「朝の日差し」の流れで相手の立ち回りと追加効果の有無次第ではあるが、起点にして全抜きを狙えるのが強かった。
また「朝の日差し」という回復ソースの存在によってエース枠でありながらサイクル参加も可能なのが優秀だった。【残飯身代わり龍舞ドラパルト】もそうだが、「エース」と「クッション」両方の役割を担えるポケモンは、サイクル系統の構築で選出や試合展開をかなり柔軟に組み立てられる点においてかなり優れていると思う。
「Hライン」はサイクル戦の中で後出しする機会の多さや、有象無象の攻撃を耐えるために最大限まで振り「Sライン」はミラーでなるべく上から「マジフレ」を撃つ為に最速にした。【ドラパルト】同様に「悪巧み」を積み切ってから通していくことが多いため、火力面で気になることはほとんどなかった。
「持ち物」は【ポリゴン2】との対面で「放電」「トライアタック」の追加効果を一度まで許容したり【カバルドン】対面で「欠伸」をケアしながら「悪巧み」を積むために「ラムの実」を持たせた。
選出パターン
1.+(or)+(or)
【ミトム】を中心としたサイクル。クッション要員には併せて対面操作や「鬼火」撒きができる【ガオガエン】or「ステロ」撒きの【ナットレイ】エースは【ドラパorキッス】
2.+(or)+(or)
「ステロ」と【ガオガエン】の「威嚇」+「捨て台詞」を中心としたサイクル。「ステロ」撒きは【ドリュorナット】エースは【ドラパorキッス】
3.(or)++
エース2枚選出。【ミトムorドリュ】で起点を作ってから【ドラパキッス】 の両エースのどちらかを通していく。2体共に相手のDMを強要させる力があるため、片方にDMを切らせて落とす→後からもう片方の後切りDMを通す、といった立ち回りを取ることが多かった。
いずれの選出パターンにおいても【ドラパキッス】のどちらかを選出して通していくのが基本的な立ち回りではあるが、2体共にサイクルの中でのクッション性能もある程度有しているため、【ドラパキッス】をクッション要員にして、アタッカー性能のある【ミトムorドリュ】をスイーパーに置くこともたまにあった。
おわりに
TNしおこうじ:最終順位37位/レート2135
TNゴジラ:最終111位/レート2103
個人的に今まで使ってきたドラパガエンの中で最も納得のいく構築に仕上げられました。結果こそ最終2桁前半でしたが、最終日最高2位までいけたり、2200チャレンジを何度も仕掛けることもできました(全部通せませんでしたが)。また最終日も含めて安定して上位帯で戦い抜くことができたりと、非常に充実感のあるシーズンを送ることができたと感じています。引き続き自分自身の目標を達成できるよう、このDLC解禁後の現環境を頑張っていきたいと思います。ここまでご覧いただきありがとうございました。
スペシャルサンクス
・常日頃や最終日にTwitterで応援の言葉をかけてくださった方々
・通話で交流していただいたり、構築相談に乗ってくださった方々
・穏やか窓の皆さん
・ねるにち界隈の皆さん
・構築相談や最終日付近で試運転に付き合っていただいた澤村さん
余談
- 実況者であり、僕が5世代の頃からファンであるYouTaroさん(ゆーたろ YouTaro (@YouTaro_) | Twitter)の配信で声援をいただいたり、YouTaroさんや一部のリスナーの方々からプロフィールで応援していただけました。最終日を潜る上で本当に励みになってました。この場を借りて改めてお礼させていただきます。ありがとうございました。
YouTaroさんのYouTubeアカウントゆーたろYouTaro - YouTube
サムネイル用