コンセプト
・「尻尾すり替え」「トリックルーム」展開+「鈍い」カビゴンによる詰め
構築経緯
今シーズンはカビゴンが特に強いポケモンであると思い、その中でも詰め性能が最も高い"鈍いカビゴン"を主軸とした構築を組み始めた。
カビゴンが上から鈍いを積んでいける立ち回りが強いと思い、「トリックルーム」「尻尾すり替え」の各ギミックを採用。"尻尾すり替え&トリル展開+鈍いカビゴン"の並びをベースにした構築をシーズン序盤から使用し続けていた。カビゴンの型や「トリル」「尻尾すり替え」要員の型をそれぞれ終盤まで試行錯誤した結果、最終的にカビゴンは環境に蔓延する「鬼火」「欠伸」持ちに耐性を持てる"ねむカゴ型"で採用。また尻尾すり替え要員には構築単位で重い水タイプの一貫を切ることができ、「我武者羅」で削りを入れつつ後続への起点作りを行いやすいエルフーンを採用。トリル要員には化けの皮でDMへの切り返しもできたり、「呪い」で起点回避も行えるミミッキュを採用した。
カビゴンを通す上で障壁となったり、構築単位で対策しておきたいポケモン・並びに対して"エルフーンorミミッキュ+カビゴン+@1"の並びに組み込みやすいポケモンをそれぞれ模索した。
まずカビゴンに後出しから切り返せるポケモンの中で特に個体数の多い「鉄壁」持ちアーマーガア、また多発する鈍いカビゴンミラーなどにおける回答と、単体性能の高さを評価してギルガルドを"襷剣舞+聖剣型"で採用。次に受け回し系統への回答としてサザンドラを"ラム悪巧み型"で採用。ここまでで構築の勝ち筋がカビゴンのみに依存していると感じたため、もう一つ太い勝ち筋として強力な"ダイジェッター"であり、抜き性能の高いギャラドスを採用。エルフーンの「尻尾すり替え」+「我武者羅」による削り→「自信過剰」発動といったシナジーの高さも評価した。
で完成。
基本的には「尻尾すり替え」or「トリル展開」またはその両方からカビゴンを通しつつ、カビゴンを通せない相手には@1を通していくのが主な立ち回りとなる。以下個別解説に移る。
個別解説
カビゴン
性 格:意地っ張り
特 性:厚い脂肪
実数値:235-178(252)-117(252)-*-130-51(4)
持ち物:カゴの実
技構成:捨身タックル 炎のパンチ 鈍い 眠る
本構築の主軸。DMエースその1。エルフーンの「尻尾すり替え」やミミッキュの「トリル」展開で素早さを逆転させた状態で、上から鈍いを積んで場を制圧していく。
「鈍い」カビゴンには大きく分けて"ねむカゴ型"と"混乱実型"(内3ウェポンとリサイクル+2ウェポン)の計3種類があり、シーズン中はそれぞれの型を使い分けていたが、シーズン終盤においてカビゴンを「欠伸」で流したり「鬼火」で機能停止を図ってくる相手が多かったため、最終的にそれらへ切り返しができる"ねむカゴ型"に落ち着いた。"ねむカゴ型"は前述した状態異常系統には滅法強く出られる反面、各展開によるサポートがないと「鈍い」を充分に積みきれなかったり、攻撃技を2つしか搭載できない関係で対面から勝てないポケモンが出てくるのが難点。採用する構築や環境毎に応じて型を使い分ける必要があると思う。
攻撃技は2つで最も範囲が取れやすいノーマル技と炎技で、ノーマル技には非DM時にも高火力の打点を確保するために「捨身タックル」を採用。また炎技には追加効果の火傷も期待できる「炎のパンチ」を採用した(「羽休め」を連打してくるアーマーガアやミミッキュの「化けの皮」を剥がす際に燃やしたこと多数)。「ヒートスタンプ」は非DM時にDMゴーストタイプへの打点が無くなってしまうのを嫌って不採用。
シーズン終盤こそメタが進行した影響で思うように動かせなかったが、序盤から中盤にかけては本当に強いポケモンだった。また終盤においても出す構築と立ち回りにさえ気をつければ充分な活躍を見せてくれた。
エルフーン
性 格:図太い
特 性:悪戯心
実数値:167(252)-*-140(180)-97-105(76)-136
持ち物:後攻の尻尾
技構成:ムーンフォース 我武者羅 すり替え 身代わり
調整先
HD-C252サザンドラの大文字を確定耐え
HB-余り
「尻尾すり替え」+「我武者羅」によるカビゴン、ギャラドスのサポート。DMへの切り返し枠その1。
「尻尾すり替え」という戦術自体が優秀で、初手に出てきやすい相手の高速エースの素早さを奪って実質機能停止にさせたり、相手のDMエースに対して身代わりでDMターンを枯らしつつ、後続に繋いでいくといった立ち回りが非常に強力だった。
この「尻尾すり替え」枠は他にオーロンゲも使っていたのだが、終盤以降エルフーンの耐性と特殊打点が有用に働く場面が多かったのと、ギャラドスを採用する場合、「身代わり」+「我武者羅」で相手の体力を削りつつ退場→ギャラドスの自信過剰圏内に入れるといったギャラエルフの並びの優秀さなどからエルフーンを採用した。オーロンゲと違って「鬼火」によって機能停止しなかったり、「ボルトチェンジ」を半減に抑えられるため主にミトムなどに最低限の後出しができるのも優秀だった。
技は上記4つで完結していると思うが、攻撃技はムーンフォースを草技に変えたり、補助技も挑発、置き土産etcと有用な技が揃ってるので構築に応じてカスタマイズしても良さそう。個人的には欠伸展開の起点回避になるミストフィールドがオススメ。
ミミッキュ
性 格:意地っ張り
特 性:化けの皮
実数値:151(164)-150(212)-117(132)-*-125-116
持ち物:アッキの実
技構成:じゃれつく 影打ち 呪い トリックルーム
「トリル」展開によるカビゴンのサポート。DMへの切り返し枠その2。
エルフーンの「尻尾すり替え」が通せない時や、「尻尾すり替え」を使った直後に出てくる相手のDMエースに対して切り返しつつ、再度カビゴンを展開する。この「トリル」枠は他にブリムオンなどを試しに使ってみたのだが、「化けの皮」→「トリル」に切り返し性能の高さがやはり優秀であると感じたため、ミミッキュの採用に落ち着いた。カビゴンの展開の補佐としては、どちらかというとエルフーンの方が通す機会は多かったものの、ミミッキュも出せば最低限の活躍はしてくれた。
持ち物はリリバの実、カシブの実などを試して最終的に相手のミミッキュ・ギャラドス辺りに対して発動した際アドバンテージが取りやすいアッキの実に落ち着いた。
ギルガルド
性 格:意地っ張り
特 性:バトルスイッチ
実数値:136(4)-211(252)-70-*-70-112(252)※ブレードフォルム時持ち物:気合いの襷
技構成:アイアンヘッド 聖なる剣 影打ち 剣の舞
単体で殴れる枠。アーマーガア・カビゴンミラーetcへの回答。
「鉄壁」を積み切ったアーマーガアやナットレイ、「鈍い」を積み切ったカビゴンなどを後出しから「剣の舞」→「聖なる剣」で処理できるのが優秀。また初手に出てくるバンギラス・ドリュウズなどにも対面から勝つことができたり、処理の難しいニンフィア・ピクシーなどの高耐久フェアリーへの打点も持っていたりと構築上の痒い箇所に手が届く存在だった。
主な役割対象の1体であるアーマーガアには基本的に後出しから処理が可能だと思っていたが、ASベースのアーマーガアには「剣舞」を積むタイミングで上から「挑発」を撃たれてしまうと一方的に「ビルドアップ」を積み切られたり、高火力の「ダイジェット」でゴリ押されるので注意が必要。
攻撃技は「シャドークロー」が欲しい場面も多々あったが、それ以上に「アイアンヘッド」が前述した理由から必要な場面が多く、採用する枠がなかった。
サザンドラ
性 格:臆病
特 性:浮遊
実数値:167-*-111(4)-177(252)-110-165(252)持ち物:ラムの実
技構成:悪の波動 ラスターカノン 挑発 悪巧み
受け回し系統・欠伸展開etcへの回答。
処理の難しい受け回し系統の並びを挑発+悪巧みからの高火力技で崩していく。「ラムの実」を持たせることで「毒々」や「欠伸」への後出しができるようにしていたが、「残飯」+「身代わり」や「混乱実」などの回復ソースを持たせて場持ちをよくさせても良かったかもしれない。受け回し系統の他にもサザンドラより素早さが低い、またはサザンドラへの高火力打点を有するポケモンが少ない構築には選出していたが、そもそも大体どの構築にもドラパルト・ミミッキュ・トゲキッスなどがいるし、強引に選出した結果腐るということも多かった。この枠は他のポケモンに変えても良かったのだが、「見かけ上"サザンガルド"の並びを作れているのがなんか好き」という安易な理由から最後までサザンドラを採用し続けた。
攻撃技は「流星群」「大文字」のどちらも欲しい場面があったが、それ以上に他のどの技も切れないため不採用。
ギャラドス
性 格:陽気
特 性:自信過剰
実数値:171(4)-177(252)-99-*-120-146(252)
DMエースその2。前述した通りエルフーンで起点を作ってから全抜きを狙ったり、初手に投げてDMを切り一気にアドバンテージを取りに行く。
カビゴン以外の明確な勝ち筋が存在しないのが厳しいと感じ、シーズン最終日に急遽構築に採用されたポケモン。ただ構築にカビゴン+ギャラドスという強力な勝ち筋を2つ用意することで立ち回りの幅が広がり、結果的に最終日に結果を残すことができたため、この変更は大正解だったように思う。
ギャラドスミラーやトゲキッスなどで勝てるようにするために素早さは最速。対応範囲をできる限り広げるため、4ウェポンでの採用とした。
選出パターン
1-1.++(or)
本構築で最も多い選出。相手の初手に出てくるポケモンにエルフーンで「尻尾すり替え」(+できたら「我武者羅」で削り)を入れ、カビゴンで積みの起点にする。カビゴンで相手の構築を半壊させたところをギルガルドでスイープする。ギルガルドの枠をミミッキュにして「尻尾すり替え」がない状況下でもカビゴンを再展開できるようにする場合もある。
1-2.++(or)
相手の初手に出てくるのが予想されるポケモンにギルガルドが刺さっている場合の選出。初手に出てくるポケモンをギルガルドで処理しつつ、2体目のポケモンに対してエルフーンとミミッキュのどちらかの展開からカビゴンを通していく。この選出の場合はミミッキュを出すことが多い。
2-1.
++(or)
相手の構築にギャラドスが刺さっている場合の選出。エルフーンで起点を作ってから全抜きを狙う。ギャラドスとカビゴンを同時選出してエルフーン→非DMカビゴンで場を荒らす→ギャラドスで全抜きといった立ち回りをすることもあった。
2-2.+(or)+
相手の構築にギャラドスが刺さってる場合の選出その2。初手にギャラドスを投げてDMを切り、一気にアドバンテージを取りに行く。相手のDMに対してはエルフーンorミミッキュで切り返しつつ、カビゴンで詰めていく。
3-1.++
受け回し系統への選出。相手の隙を狙ってサザンドラで積んで崩していく。相手のサザンドラメタに対してはエルフーンの「我武者羅」やカビゴンで消耗させることで一貫を取りやすくする。
おわりに
シーズン3にて最終13位でした。念願の最終2桁かつ10位台を達成できたので個人的にとても満足のいく結果に終われました。
今シーズン最終2桁を達成できたので、来シーズン以降は最終1桁を目指して頑張ります。ここまでご覧いただきありがとうございました。